嘔吐恐怖症の育児のリアル。育児で症状が軽減する?克服までの近道「慣れ」の現状

子供の看病をする母親 嘔吐恐怖症
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※嘔吐恐怖症の程度は人それぞれです。
この文章には「嘔吐」そのものやそれに関係する言葉、又はそれを連想させる文字、内容を含みます。
決して無理のなさらないようゆっくりお読みください。

こんにちは。あむです。

嘔吐恐怖症歴は多分21年。

多分というのは、はっきりした幼少期の記憶がなく、嘔吐恐怖症になったきっかけもわからないままだからです。

でも、5歳くらいの時は大丈夫だった記憶もあるようなないような…

ということで21年くらいです。ほぼ人生の全てです泣

そんな私も現在2児の母でこの記事を書いている今は妊娠中です。

妊娠中、出産時、産後、そして育児。

全てにおいて「嘔吐」の恐怖が付き纏う中、三人の子供を望んだ理由。

きっと全国に嘔吐の恐怖から、子供を授かることや子供自体に恐怖感じてしまっている方も多いと思います。

私もそうでした。

中学生の頃から、「嘔吐 怖い つわり」とか調べて「怖い怖い絶対無理!」とか思ってました。

それが今子供の胃腸炎の看病したりしてるんです。

きっと、私たちのような精神疾患を持っている人は、人生において普通の人よりもさらにたくさんの努力を強いられることになると思います。

それでも、きっと大丈夫。

そう思ってもらえるよう、育児のリアル、そして実際に嘔吐恐怖が軽減したお話を記事にしました。

こんな人に読んでほしい

  • 嘔吐恐怖症で結婚や子供をためらっている
  • 嘔吐恐怖症を少しでも軽減したい、克服したい
  • 嘔吐恐怖症で将来が不安(特に女性)
  • 嘔吐恐怖症のパートナーや家族、友達がいる

なぜ嘔吐恐怖症なのに子供を作ろうと思ったのか

幼少期からずっと、記憶にあるうちは常に嘔吐の恐怖と闘ってきました。

昔は「吐」という字を見るだけで発作が出るほど酷かったです。

そんな私がどうして子供を作ろうと思ったのか?

結論としては予定外妊娠だったからです。

偏見を持つ方もいるかもしれませんが、私は婚前妊娠で、予定外の妊娠でした。

旦那の避妊や精神疾患への理解がなく、気も弱かったので否定されるのが怖く、嘔吐が怖くて妊娠や育児が怖いことすら伝えられないまま妊娠したのでもう後にも引けなかったのが現状です。

もしかしたら、計画的に考えていると、子供を決断することはできなかったかもしれません。

我ながら、かなり無責任で酷いことを言っています。

でも、それがあったからこそ、いつまでも妊娠の決心ができずにいることがなく、自然に母親になれたと思います。

要は無理矢理使命を与えられたような感じです。

不快に思われる方がいたら、ごめんなさい。

でも妊娠がわかった時はとても幸せでした。もちろん今も幸せです。

好きな人との子供が後10ヶ月で生まれてくる。

それだけで、どんなことにも耐えられる気がしました。

私が経験した子供の嘔吐の状況

まず、実際未就学児の育児でどれだけの頻度、恐怖に直面したかをご説明します。

2人合わせて4年半で6回

うちの子供はとても親孝行で、嘔吐することがかなり少なかったことが救いです。

上の子が4年半で4回、下の子が2年半で2回。

それだけです。

一回でも怖いんや!

と思う方もいるかもしれませんが、もちろん全ての嘔吐が怖かったですし、今も毎日ビクビクしています。

でも、特に上の子が嘔吐してしまったのは、病気でもなく「ただお腹に力が入ってしまった」「飲んだ後にすぐに下を向いてしまった」などの子供ならではの、「体が未発達だからちょっとした刺激で出ちゃった」だけだったので、苦しい顔を特にしていなかったんです。

その時、普通に処理している自分がいました。

出てきたものは、さっきちょっと飲んだ牛乳だけだし、別に大量でもない、そして何より、苦しそうな表情はしていなかったのです

そこで気づきました。

自分は体調が悪くて今にも吐いてしまうんじゃないかという苦しそうな状態を見るのが怖いのかもしれないということ、得体の知れないグロテスクな物が出てくるんじゃないかと思っていたことに。

一年に1〜2回あるかどうか

そもそも一人につき嘔吐は一年にあるかないかです。

今年は下が胃腸炎2回もらってきたので半年で2回体験してますが(冬はないと信じたい)、そんなに頻繁にあることではないです。

そう言い聞かせて精神を保っているという事実もありますが。

もちろん、子供さんによっては吐きやすい子もいますが、少なくともうちの子はほとんど毎日騒ぎまくって元気です

胃腸炎の場合は多くが半日で嘔吐の症状は消滅

嘔吐恐怖症にとって恐ろしいのが胃腸炎。

なぜかって、感染力の強いノロウイルスなど、他の家族に移るから。

特に兄弟がいる場合は、兄弟に移ってしまうと、一人が治っても次はもう一人・・・なんて地獄になります。

でも、胃腸炎の多くは先に嘔吐の症状が現れ、その後下痢に移行します。

下痢も感染力がないわけではないですが、私自身そっちは大丈夫なのでとりあえず嘔吐だけ終われば落ち着く…

その嘔吐も、ほとんどが半日で終わります。

病院に行くと指導されることは、「嘔吐の後落ち着くまで何も食べさせない」なので、嘔吐の症状が一旦止まって食べさせなければ吐くこともありません。

なのでとりあえず半日。半日だけ耐えれば・・・と自分に言い聞かせてまた精神を落ち着かせます。

嘔吐恐怖症が軽減したきっかけ

そんなこんなで徐々に症状が軽減している現在(でも克服したわけではない)、ちゃんと母親やっている自分を褒めつつ、なんで楽になったのかな…と考えてみると、以下のことがわかりました。

吐いたものはさっき食べたものだと分かった

とてつもなく当たり前なのですが、出てくるものは「胃の内容物」です。

さっき食べたものが少々形を変えて出てくるのです。

それをみた瞬間、私は案外冷静になれました。

「さっき飲んだ牛乳やん」「さっき食べたみかんやん」

私は、というか嘔吐恐怖症の方たちは、その恐ろしさのあまり、吐いたものをマジマジとみることはほとんどありません。

そもそも自分が吐いた経験が少ない方が多いです。

そのため、脳内で嘔吐物はとてつもなくグロテスクで気持ち悪いものだと妄想が膨らみ続けている可能性があります。

しかも、自分と自分の子供以外のものとなると、他人がさっき何かわからんけど食べたものを見ることになりさらに恐怖ですが、子供や自分の場合、さっき食べたものを見て把握している可能性が高いので「さっきのみかんがこうなっただけだ」と考えることができたのです。

ちなみに、つわりの時も同様でした。

私たち嘔吐恐怖症は、そもそも現物を見ることが少ないために、吐くと末恐ろしいものが出てくると思い込んでいるのですが、実際はさっきまで食べ物だったものが出てきているだけなのです。

そう考えると少しは楽になりませんか?

正しい消毒方法を知って安心できた

私の場合は、吐く=感染して自分や家族がまた吐くという嘔吐の連鎖が特に怖いです。

ですが、実際自分が処理しなければいけなくなったため、死ぬ気で感染を広げないような対策を調べ上げました。

すると、家庭でも簡単にできる消毒方法を知ることができました。

中には衣類の色落ちも心配ない高温消毒なんかもあったりして、自分でもできそうな消毒方法があったことがとても安心しました!

ちなみに消毒方法は以下の記事で詳しく説明している箇所があります↓

しかも、便利になった現代、既製品でもノロウイルスなどのアルコールが効かないウイルスにも強い製品が出てきていて、家庭での消毒では不安という方も安心して消毒できるようになりました!

消毒は普段から定期的に行うことで予防にもなるので、これで日々の安心材料になります!

子供はすぐに元気になって笑ってくれる

子供の凄いところは、吐いてもすぐけろっとして遊び始めたり、笑い始めたりするところです。

上記でも少し触れましたが、私は「体調が悪そうで苦しそう」な表情を見るのが怖いので、元気に笑っていてくれるとすこし安心できます。

吐いていない時でも「次いつ吐くのか」と気になってドキドキしてしまうのですが(予期不安)、笑ってくれているだけで、こちらとしては助かっています。

嘔吐恐怖症が育児で軽減する理由

さて、育児をすることでかなり恐怖が軽減している私ですが、なぜ軽減したのか、少し考えてみました。

段階を踏める

育児で嘔吐に直面することは多いですが、恐怖の軽減になった理由として「段階を踏めた」ということだと思っています。

ミルクの吐き戻しから離乳食〜お腹の圧迫による嘔吐〜病気の嘔吐と段階を踏んでいけます。

赤ちゃんの吐き戻し

どういうことかというと、赤ちゃんは、生まれてすぐは胃の形が大人と違っていて、すぐに逆流しやすくなっています。

なので、授乳後寝かせていると、横になった状態で口からタラーーっとミルクが出てくることがあるのですが、本人はよくわかっていないような表情をして全然苦しくもないようです。

ただ瓶を横に向けたら液体が流れ出てくるような感覚で吐くというよりは溢れてきたみたいな感覚からスタートします。

自分でも驚きました。全然怖くないのです。

「出てきちゃったね〜」なんていてさっと吹き上げたりします。

離乳食開始後の吐き戻し

首が座る5〜6ヶ月から始まる離乳食も同様で、胃の形や発達が未熟なせいでごく少量出てくるだけです。

しかもさっき食べたニンジン…おかゆ…

そもそも離乳食ってドロドロなので出てくるものも同じなんです。

嘔吐物というより離乳食そのまま出てきたみたいな感じです。

寝返りができるようになると、うつ伏せになって胸が圧迫されてちょっと出てくるとか、本当にそんな程度です。

量もスポイトで2〜3滴落としただけのような量です。

「吐いた」とすら思いませんでした。

お腹の圧迫による嘔吐

少し成長して立てるようになってくると、飲んですぐ下を向いた反動で出てきちゃったり、遊んでてお腹に力が入って出てきちゃったりすることがあります。

本人も「何これ?」みたいな状態なので私も最初はびっくりしましたが本人がなんともなさそうなので「圧迫されて出てきちゃったのか〜」と冷静に考えることができました。

しかもそういう時も少量ですし、お風呂で遊ぶアヒルさんのお腹を押すと水が出てくるという感覚で考えられたので、恐怖心レベルは低かったです。

病気での嘔吐

もちろん赤ちゃん時代から病気の嘔吐に直面する場合もありますが、ここまでくると「口から食べたものが出てくる」という現象だということを感覚で理解できるようになっていました。

いまだに怖いことは怖いですし、胃腸炎には本当になって欲しくないです。

今でも、嘔吐した後は近づけなかったりします。

でも耳を塞いで世界をシャットダウンして逃げていた、前までのわたしではありませんでした。

親としての使命感

自分がしなければ嘔吐は片付かないし、子供は病院に行けない、という親としての責任感や使命感が優位に立つようになります。

母親の場合、妊娠中からお腹の中で命の成長を感じてきて、何もできなかった赤ちゃんから、おしゃべり大好きな子供に成長している家庭を見てきたので、苦しんでいる子供を助けてあげたい、楽にしてあげたいという感情が出てくるのです。

また、親の私が怖がりすぎて、子供も同じように恐怖を抱いたら、我が子も将来生きづらくなるかも知れない。そう思うと、無理にでも「大丈夫だよ〜」「しんどいね〜」と言えるようになっていました。

人間って苦しい時でも、無理やり笑うと脳にポジティブなホルモンが発生して少しだけ気持ちが楽になったりします。

それと同じなのかも知れませんが、直面しても冷静にいられるように、自分に言い聞かせているような感じです。

嘔吐恐怖症の克服の近道は「慣れ」

さて、結局のところ、王と恐怖症の克服への道は「慣れること」なんですよね。

実は知識としては知っていました。

でも、前までは怖いものに自ら立ち向かっていくなんてそんなの無理って思ってたので、子供が慣れさせてくれるのかも知れません。

嘔吐恐怖症の原因は「思い込み」

嘔吐恐怖症の原因は、自分が嘔吐で辛い思いをしたなどのトラウマにより「嘔吐=恐怖」と思い込んでしまうことです。

つまり、本来は怖くないことなのです。

あむ
あむ

そんなことわかっとるわ!でも怖いねん!

だから、経験を積んで「あれ、案外怖くないじゃん」と思うことが、克服につながるということになります

暴露療法と同じ

恐怖症の治療法として「暴露療法」というものがあります。

実際に段階を踏んで、恐怖の対象をみたり体験したりすることを増やして、恐怖の対象は恐怖でないと脳に思い込ませる治療法です。

プロの付き添いのもと、無理のない範囲で行われます。
無理はしないようにしましょう。

例えば最初は嘔吐の絵、顔文字(これすらも怖いですよね!)から慣れていき、徐々に写真→音→映像などにレベルアップしていくそうです。

これでかなりの人が改善するようですが、私は怖くて無理でした。

なんでわざわざ怖いのに怖いのを見ろと・・・?拷問…?

と思っていたので踏み出せずにいたのですが、育児は同じようなことを自然に行うことになります。

しかもそれは、かけがえのない大切な我が子の成長のため。

そうなると、結構頑張れる自分に驚きました。

どうしても直面するので慣れてくる

親として、どうしても避けることはできないので、結果的に慣れてくることになります。

直面する回数が多いほど、克服は早くなると思います。

私も実際吐いてしまったら処理は冷静にできるようになりました。

ただ予期不安(吐くんじゃないか、体調が悪いんじゃないか)はなかなか治りませんね。

今の課題です。

医療機関での治療も有効

嘔吐恐怖症になる人は、鬱や不安障害などを併発していることがあったり、他の精神疾患がなくても、メンタルに不安があったりする人が多いです。

その不安から、さらに嘔吐恐怖のパニックを引き起こしてしまうんですよね。

私は日々の鬱状態の改善を目的として精神科に通って、薬を処方してもらい、日常の精神不安定を軽減しています。

(妊娠している今は控えていますが、上の子二人は服薬しながらの妊娠でした)

そのおかげで、日々悶々と不安や恐怖を考えていることが少なくなりました。

また、すこし前向きになれるので、びっくりするくらい「ま、もし子供が病気になったらそん時はそん時だろ」と思えるようになったのです!

日常的にずっと嘔吐のことを考えて辛い方は、専門医の治療を受けることで、改善が見込めます。

嘔吐恐怖に立ち向かうなら、先に基本的な精神安定をさせてから、望むといいかも知れません。

服薬しても、効果が出るのには時間がかかります。(私は2年くらい飲み続けてかなり改善しています)

ゆっくり時間をかけて、無理のないように治療していきましょう。

【嘔吐恐怖症が育児をした結果】育児で嘔吐恐怖はかなり軽減できた!

嘔吐恐怖症で妊娠から育児まで、嘔吐に直面した時自分が耐えられるか心配なかた。

私も、そうでした。

でも、思いがけない妊娠で育児することになってしまいましたが、今は幸せに育児をして、体調不良にも対応できるようになっています。

怖い気持ちは分かりますし、それでも頑張れば大丈夫!なんて、辛い気持ちを知っているので簡単に言えません。

でも、もし誰かの安心に成ればいいなと思ってこの記事を書きました。

文字も見ることもできなかったわたしが、愛する子供のために看病をしています。

自分でもびっくりしています。

嘔吐恐怖症と一生付き合っていかなければならないと不安の方に、私の例を一例として、嘔吐恐怖は育児で軽減できるということもある、と認識していただければ幸いです。

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